何度もブログで書いたように、私は27年間勤務した国家公務員を辞めました。
そんな無謀な私ですが、前回までの記事で何とか株式会社設立を設立することはできました。詳しくは自分でできる! 株式会社設立 その1 事前準備編、自分でできる! 株式会社設立 その2 定款認証編及び自分でできる! 株式会社設立 その3 法人登記編をご覧ください。
株式会社の設立が済み、法人登記簿謄本も取得できたので、今後は年金事務所や税務署等で事業所開設の手続きを行わないといけません。今回は、年金事務所での社会保険の手続きとなります。
社会保険とは?
広義の社会保険とは、病気やケガ、出産、失業、障害、老齢、死亡ばどに対して必要な保険給付を行う公的な保険を指します。
狭義の社会保険は、健康保険、介護保険、厚生年金保険の3つをまとめた総称であり、労働保険は雇用保険と労災保険の2つをあわせた言い方となります。
通常言われる社会保険とは、この協議の社会保険を指すようです。
たとえ社長一人の法人であっても、この狭義の社会保険への加入が必要となり、年金事務所で健康保険、介護保険、厚生年金保険への加入手続きを行わないといけません。
また、社長と役員のみの法人には加入の必要はありませんが、労働者を雇用した場合には労働保険への加入手続きも必要となります。雇用保険はハローワーク、労災保険は労働基準監督署で必要な手続きを行うこととなります。
今回私の法人では労働者を雇用していないため、労働保険の加入手続きはおこなっていません。
マネーフォワード会社設立で確認
マネーフォワード会社設立の画面でも、会社設立後の手続きとして年金事務所への届出がでてきます。
内容を確認すると提出先の年金事務所もきちんと出てきます。
必要な持ち物もきちんと記述され、新規適用届もダウンロードすることができます。
注意事項には、従業員を雇用した場合には被保険者資格取得届の提出が必要とありますが、たとえ一人社長であったとしてもこの資格取得届を提出しないと健康保険証が発行されません。
年金事務所での手続き
健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出し、社会保険の適用事業所を開設した事を年金事務所に届け出ないといけません。また、これと同時に健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届を提出しないと健康保険証が発行されないので注意が必要です。更に役員等に被扶養者がいる場合には、健康保険・厚生年金保険被扶養者届も必要になります。この届を提出しないと被扶養者の健康保険証が発行されないし、配偶者が被扶養者の場合には厚生年金保険の第3被保険者号にも認定されません。
必要となる添付書類は下記となります。
・ 法人登記簿謄本(コピー不可)
・ 法人番号指定通知書の写し
※ 年金事務所での加入手続きは法人設立から5日以内となっていますが、通常、法人登記簿謄本は登記申請日(法人設立日)から5日以内に発行されません。私はこの件について年金事務所に問い合わせをしたのですが、法人登記簿謄本が取得可能になってからの手続きで構わないとのことでした。
健康保険・厚生年金保険新規適用届
新規適用届とは、下のような書類です。
赤枠の中に事業所等の情報をを記入します。
左側の赤枠の中には、給与の形態等や従業員数、所定労働時間を記入し、右の赤枠の中には事業所の略図を記入します。
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
一番上の提出者記入欄には、法人の情報等を記入します。
被保険者の欄には、役員等の人数分情報を記入します。取得年月日は法人設立日。被扶養者がいる場合は被扶養者欄の1.有に〇をします。報酬月額欄には、予め株主総会で決定した役員報酬の金額を記入します。備考欄はその他(役員報酬)とし、70歳以上の役員等の場合には70歳以上被用者該当に〇をします。
健康保険・厚生年金保険被扶養者(異動)届
この届出は、役員等に被扶養者がいる場合に提出します。事業主記入欄には法人等の情報を記入。事業主受付年月日は法人設立日を記入しました。事業主確認欄は、被扶養者が所得税法上の扶養親族であることを在学証明、所得証明等で確認した場合には確認に〇をします。確認していない場合には必要な添付書類を添付します。
配偶者である被扶養者欄は、配偶者が被扶養者となる場合に記入します。配偶者が被扶養者でない場合には、配偶者の収入欄に配偶者のおおよその年収を記入します。
その他の被扶養者欄には、配偶者以外の被扶養者を人数分記入します。戸籍謄本等で続柄を確認し、確認済にチェックをします。
被扶養者の要件
被扶養者に該当する要件は、日本国内に住所(住民票)を有しており、主として被保険者の収入により生計を維持されていること、および次の収入要件及び同一世帯条件のいずれにも該当した場合です。
収入要件
年間収入130万円未満(年金収入のある60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)かつ以下に該当するものです。
・ 同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
・ 別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
※ 年間収入とは、過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下、雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であれば要件を満たします。)また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれますので、注意が必要です。
※ 年間収入130万円未満とは、暦年収入や年度の収入ではなく、認定日以降のどの日から計算しても1年間の収入が130万円未満となる必要があります。
同一世帯条件
被保険者と同居している必要がない者
・ 配偶者、子、孫および兄弟姉妹
・ 父母、祖父母などの直系尊属
被保険者と同居していることが必要な者
・ 上記ア以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・ 内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)
夫婦ともに収入がある場合における被扶養者の認定
夫婦ともに収入がある場合における被扶養者認定については、被扶養者の人数にかかわらず、年間収入の多い方の被扶養者として認定を行います。なお、申請を行う被保険者の年間収入は、過去の収入、現時点の収入または将来の収入などから今後1年間の収入を見込んだ額を算出します。
社会保険手続きまとめ
今回は、株式会社の設立後に年金事務所において社会保険の手続きを行いました。
通常だったら社会保険労務士さんにお願いして手続きをすると思うのですが、自分で手続きをしてもそれほど難しい事はないというのが実際にやってみた感想です。
健康保険証は、書類を提出後10日程で届きました。
但し、一人社長の場合でも、新規定用届と資格取得届は必ず必要となります。資格取得届を提出しないことには健康保険証が発行されないので注意して下さい。
健康保険証まで発行されれば一安心です。
あとは、税務署、県税事務所、市町村役場へ法人設立届を提出するだけとなります。
youtube動画を作成しました。興味のある方はご覧下さい。
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