今まで、ほとんど自分の仕事の話はしたことありませんが、今回は珍しく書きます。
私は1995年以来、27年間国家公務員として勤務してきましたが、2022年4月に早期退職者募集制度を利用して早期退職しました。
今までの公務員生活でのメリットやデメリット、安定していると言われる公務員を定年まで勤めずに何故早期退職したのかを簡単に説明します。
国家公務員のメリット
一般的に言われている公務員のメリットに対しての私なりの考えを書きます。
社会的信用がある
国家公務員としての身分が保証されているため、社会的に信用があると思います。確かに、ローンの審査には通り易いようです。
20年以上前に今のマンションを購入した時にも、販売担当の方から「公務員だったら住宅ローンは問題ないです。」と言われた事があります。
その後も色々な方からそのような話は聞きました。
クレジットカードなんかも、審査に通り易いようですね~。
今ではその社会的信用を手放してしまいましたが・・・。
国や地域のために働ける
私はこの仕事になりたいと思って公務員になった訳ではありませんが、国や地域のために働くことができるのが魅力す。
「自衛官になって国を守りたい!」とか、「警察官になって地域の安全を守りたい!」とかって、恰好良いし、素晴らしい事ですよね。
給料や退職金が良い
給料や退職金が良いとも言われていますが、私は給料に関しては良いとは思いませんでした。
因みに私は大学を卒業して公務員になったのですが、同じ大学を卒業した他の友人達と比較すると、抜群に給料が安かったです。
その頃は、誰もが「公務員は後から給料が上がって逆転するから!」と言いましたが、そんな事はありませんでした。最後まで給料は安かったと思います。
よく国家公務員の平均給料が高いとか言われていますが、あれは関東で勤務する偉い人のデータだと思いますよ。そもそも国家公務員の給料制度は、関東を中心として異動を繰り返した人に有利な制度になっています。
退職金に関しては、あまり比較対象がないのですが、私が公務員になった頃と比べると格段に安くなっています。
それでも退職金が出るだけ良いと思わないといけませんよね。
給料が安定している
上の給料や退職金が良いの話と似た話ですが、高くはありませんが確かに安定はしていると思います。
人事院勧告によって、ボーナスの率が下がって大変な事もありますが、基本的に下がる事は滅多にありませんし、出ない事もありません。
逆に一気に上がったりはしませんが、安定はしていますね。
有休休暇が取り易い
有給休暇が取り易いとも言われますが、それはその時の上司や職場の雰囲気によって全然違うと思います。
私も若い頃には、何と言われようが有給休暇を消化していましたが、自分が上の立場になるとそうはいきませんでした。元々国家公務員でも中央勤務者はほとんど休んでいないと思います。
ただ、育児休暇等の新しい休暇制度に関しては、国自体が推進するため取得し易い環境が整っていると思います。
仕事が楽
これもその時勤務している部署によっても違うと思います。
物凄く大変で、残業ばかりしていた時期もありましたが、少しゆっくりと仕事をできる時期もありました。その時の勤務地や人間関係によって全然ちがいますね~。
国家公務員のデメリット
私の感じた国家公務員のデメリットを当たり障りのない感じで書きます。
転勤が多い
私が勤務した省庁では、基本的に3年以内には転勤がありました。
流石に特別な事情がない限りは1年での転勤はありませんが、時々1年で転勤する人もいましたよ。でも基本的には2年か3年で転勤です。
そして転居異動をしないと出世もしません。まあ、そういうシステムなので仕方ないのでしょうが、これは最後まで納得いきませんでした。
偶にいるのですが、使えなくてたらい回しにされてるのに何故か出世する人もいるんですよね~。
ルーティーン業務が多く、新たな事は嫌がられる
一般に会社も考えようによっては同じかも知れませんが、1日、1月、1年を単位としたルーティーン業務が続きます。ただ私は専門職ではなかったので、必ずしもいつも同じ仕事をする訳ではなく、全く分からない仕事をする事もよくありました。
ただ、何処に行っても前例を踏襲するのが基本で、新しいやり方はとても嫌がられました。
私は長い事使いまわしているコピーを新しい用紙に作り替えたり、今までずっと手計算でやっていた事をEXCELを利用した表計算に変更したりしたのですが、周りの人からは「今までどおりにやればいいのに。」とか「わざわざ時間かけて作り直さずに今までのを使えばいいのに。」とか言われましたが、無視して何でも作り替えていました。
でも、分かってくれる人は私が作ったデータを喜んで使ってくれていましたし、今でも私が作った多くのデータが仕事に利用されています。
年功序列のため、努力しても報われない
基本的にというか、年功序列です。それ以上に採用試験の区分は最後までついてまわります。採用試験のⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種(昔の上級、中級、初級)はさらに大きいですね。
それが逆転することは絶対にないと思います。何かの事情で10年間出世が遅れた人が、凄い努力によってその10年間を取り戻すという事も絶対にあり得ません。
今後も人事制度は変わっていくと思いますが、上記のような事が変わっていくとは思えませんね。
国家公務員になったきっかけ
私は元々公務員になりたいと思っていた訳ではありません。大学の4年間でやりたい事が見つからず、卒業後に短期間だけ専門学校に通って勉強して公務員試験に合格しました。
周りからも公務員になるように勧められていたので、特にやりたい事もみつからないので公務員になってみるかな~って感じでした。
これまでの27年間
働き始めたその日に辞めようとも思いましたが、家族もできて責任も増え、いつの間にか今に至りました。
1995年に久留米地区に勤務し、その後も1998年対馬、1999年小郡地区、2003年久留米地区、2006年久留米地区、2011年福岡地区、2014年大分地区、2017年対馬、2020年久留米地区と勤務して、今年2022年に最初に勤務した久留米地区で退職をしました。
8回の転勤、5回の転居、2回の単身赴任生活を経験しましたが、やっぱり転勤も引越も苦手でしたね~。
公務員を辞めた理由
元々公務員を目指していた訳ではありません。実際に入ってみると予想と違ったのですぐに辞めようとも思いましたが、しばらくすると結婚し、家族も増えたのでなかなか辞めれなくなってきました。
年齢を重ねるごとに、父親としての責任も増え、家族を養うために安定した公務員を続けてきました。
でも子供達も大きくなり、あと少しで全員独立できる筈です。更に定年の年齢も延長になります。65歳までも今の仕事を続けたくないですね~。
そんなこんなで早期退職者制度に応募しようと考えるようになりました。
早期退職者募集制度
早期退職者募集制度は、平成25年度に開始された制度です。この制度に応募して認定されると、定年を待たずに特別な応募認定退職となります。
全省庁で平成29年分1,472人、平成30年分1,581人、令和元年分1,642人、令和2年分1,601人、令和3年分1,648人の認定を受けています。令和3年分1,648人。その中の一人が私ですね。
早期退職者募集制度の対象者
私の勤務していた省庁では、行政職(一)の適用職員で、勤務歴20年以上で45歳以上(定年から15年を減じた年齢以上)の職員が対象となります。
ただし、懲戒処分等を受けた者は認定の対象とならないそうです。
早期退職者募集制度に認定されると何が変わる
この制度の認定を受けずに退職すると、定年前なので依願退職となりますが、この制度に認定されると、定年前なのですが定年退職扱いとなります。
何が違うのかというと、依願退職と定年退職では退職手当の率が変わるため、当然退職手当の金額が変わってきます。もちろん定年退職の方が高いですよ。
更にこの制度に認定されると、退職手当計算の基礎となる俸給月額が定年前1年につき3%加算されます。
定年前10年で考えると、普通だったら依願退職の率でもらえる退職手当が、定年退職の率でもらえて更に30%増量されるって感じですかね。
退職しようと思っている人にとっては、とても魅力的な制度だと思います!
まあ、私が言われたように金銭的にはそのまま働き続けるのが一番良いのですが・・・。
退職までの流れ
去年は10月頃に早期退職者募集の文書が配布されました。例年よりも1~2か月程遅かったと思います。
応募用紙に記入して、11月に人事担当に提出しました。
あっ、上司には6月に報告し、勤務地の長にも了解は得ていましたよ。
年末までには認定されるとあったのですが、なかなか何も通知が来ませんでした。認定されなかったのかと思いましたが、年末ギリギリに通知がきました。
本当にホッとしましたね~。
そしてその通知に退職日は3月31日又は4月1日とあったのですが、私は4月1日付での退職となりました。
4月1日の退職日。27年前に初めて勤務した場所と同じ場所での退職となりました。
入ったその日に辞めようと思った職場ですが、あれから良い事も悪い事も色々とあったし、本当に寂しい気持ちでしたが、前を向いて進んで行くしかありませんね!
まとめ
3カ月前、27年間勤務した国家公務員を辞めました。
私の場合、最終的には早期退職者募集制度が決め手でしたが、何故かというと住宅ローンや教育ローンがけっこう残っていたからです。この制度を利用しなかったら退職金をもらってもかなりの赤字でした。
認定されて本当に良かったです。
そして退職した事も後悔していません。
何が良いって、時間や人に縛られないのが良いですね~。
1時間近い通勤時間や無駄と思っても出席しないといけない意味のない会議がないのは最高です!
私は元々公務員になりたかった訳でもなく、家族を安定して養うために働いていたようなものです。それでも27年間も勤務したので、色々な人と出会い楽しく付き合ってきたし、今までやってきた仕事も色々な意味で今後も力になると思います。
今後は子供の頃から憧れていた代表取締役になって会社経営もしてみたいと思ってますが、今までやってきた簿記の知識や社会保険の知識が役に立つと思います。
会社設立についても、今後まとめて公開したいと思ってます!
【追記】
早期退職者募集制度の概要と認定された場合の退職金、そして退職金から引かれる税金についての解説はこちら
早期退職後の健康保険と年金保険のおすすめの入り方はこちら
早期退職後は、昔からの憧れである代表取締役になるために、株式会社を設立しました。
詳しくは、下記の記事をご覧下さい。
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