先日のブログで書いたように、私は27年間勤務した国家公務員を辞めました。
今後は自分で株式会社を設立するのですが、前回までで株式会社設立のための事前準備を済ませ、定款認証も済ませました。詳しくは自分でできる! 株式会社設立 その1 事前準備編及び自分でできる! 株式会社設立 その2 定款認証編をご覧ください。
事前準備が済み、定款認証も済んだので、今回は仕上げの法人登記について説明したいと思います。
法人登記とは?
法人登記とは、自分の会社の概要を一般に公表し、法人として認めてもらうための制度です。
また、法人登記を行うと、登記事項証明書が法務局から発行されます。この登記事項証明書は、法人が正式に登記を行っている証拠になるものです。
法人登記を行うと、対外的な信用度が増し、銀行からの借り入れもし易くなるといったメリットがあります。また、法人登記を行っていないと印鑑証明の発行もできないし、取引を行ってくれない企業も多いですよね~。
法人登記の手順
前にも書きましたが、私はマネーフォワード会社設立を利用して法人を設立しました。
今後使っていく会計ソフトを基準に選んでいくと、free、マネーフォワード、弥生会計の3つに絞られたんですが、私が選んだ決め手は、クラウトサービスなので通信環境さえあれば、どこでも利用できることと、補助科目が登録できることです。27年間も共済組合業務をやってきたので、少しは簿記も理解できます。
ここからは、マネーフォワード会社設立の例で話を進めます。
設立方法
会社の設立方法には、発起設立と募集設立の2種類があります。
私の選んだ発起設立では、発起人が設立時に全ての株式を引き受けます。
募集設立では、株主を募集します。
定款作成
定款の作成方法は、専門家に依頼する方法と自分で作成する方法がありますが、私はマネーフォワード会社設立を使って自分で作成しました。
詳しくは、自分でできる! 株式会社設立 その2 定款認証編をご覧ください。
出資金の振込
出資金とは、いわゆる資本金です。定款認証後に発起人の口座に各発起人の名前が残るように振り込まないといけません。
注意したいのは、必ず定款認証後に振り込むということです。
私は早まって定款認証前に振り込んでしまったので、一旦お金をバックして再度振込を行いました。もちろん金額は定款に記載しているとおりの金額です。
また、通帳のコピー等も登記申請時に必要となります。
登記申請
今までの手順を全て行うことにより、法人登記申請が可能となります。
また、登記申請日が法人設立日となるので注意して下さい。日付を指定しての申請は出来ないと思います。
登記申請書等の作成
下の画面の登記書類を開くをクリックし、ダウンロードして印刷ます。
登記申請書等には、今までにデーターが反映されている筈です。
内容を確認して印刷すると、下記の書類が印刷されます。
・ 設立登記申請書
・ 収入印紙貼付台紙
・ 発起人の決定書
・ 就任承諾書(発起人の人数分)
・ 払い込みがあったことを証する書類
・ 印鑑届書
・ 別紙
※登録免許税が変わる場合には修正が必要です。
書類のとじ方
下の画面の書類のとじ方をクリックすると、書類のとじ方の冊子を確認できます。
ただ、定款のように多くの書類を綴じる訳ではありません。基本的にとじる必要があるのは、下記の2種類の書類です。
・ 設立登記申請書と収入印紙貼付台紙
・ 払い込みがあったことを証する書類と通帳等のコピー 以上の書類をホッチキス止めし、割印を押します。
法務局(本局)で登記申請
申請書類の作成が済めば法務局で法人の設立登記を申請します。申請に必要な持ち物もマネーフォワード会社設立の画面で確認することができます。
必要な持ち物は下記のとおりです。
・ ダウンロードして作成した書類
・ 公証役場で受け取った定款
・ 発起人全員の印鑑証明書
・ 登録免許税用の現金
他にも念のため会社印と発起人全員の印鑑を持って行った方が良いようです。私も持って行きましたが、特に必要ありませんでした。
私は上記の必要書類を持ち、緊張しながら自分で法務局に申請にいきました。
かなりビビりながら申請に行ったのですが、驚くほどあっけなく申請は終わりました。
申請が終わると受付票のようなものをもらい、「何か確認事項があれば、後日確認の連絡があります。特に確認事項が無ければ連絡はありません。10日程で登記が完了しますので、記入してある日付以降に登記事項証明書を取得できます。」を言われましたが、私の場合には特に連絡はありませんでした。
※申請日が会社設立日となります。
※特定創業等支援事業を利用する場合は、市町村が発行する特定創業支援証明書が必要です。
登記事項証明書の取得
登記申請書を提出してから特に連絡はありませんでしたが、一応受付票に記入してある日に登記が完了したかを電話確認して、登記事項証明書を取りに行きました。
登記書類の取得は、本局ではなく、近くの法務局で大丈夫でした。
下の画面上の交付申請書を開くをクリックし、必要書類をダウンロードして印刷します。
上記にあるように、印鑑カード交付申請書、印鑑証明書交付申請書、登記事項証明書交付申請書と現金を持って法務局に行き、必要書類を受け取ります。
私はそれぞれ2通申請しました。
※年金事務所での手続き時に登記事項証明書の原本1通は必ず必要です。
特定創業等支援事業とは?
私は、商工会が実施する特定創業支援事業「ちくしの塾」を受講しました。
これを受講すると商工会から「受講修了証」が発行されます。
この「受講修了証」を持って市町村役場の商工観光課等で申請をすると、数日後に「特定創業支援証明書」が発行されます。
この証明書を法人登記申請時に提出すると、登録免許税が半額となります。
受講に関してですが、本来はどこかの会場に受講者が集合して行うようですが、私が受講した際はコロナ禍だったので、オンラインでの受講でした。講義自体は実施する商工会によって違うと思いますが、4つのテーマがあり、それぞれのテーマが数回に分けて細分化されていました。
この「認定特定創業支援事業」は、ほぼ全ての市町村で行われているようなので、利用しない手はないと思います。
法人登記まとめ
私は株式会社設立についてかなり調べましたが、合同会社設立について詳しい記事はあるものの、株式会社についてはほどんど見つけることができませんでした。
ただ、定款認証の作業と違い、法人登記に関しては株式会社も合同会社もあまり変わらないような気がします。
それぞれの法人の形態に合わせて登記申請をすれば大丈夫だと思います。実際にやってみた感想としても、全て独力でもできる気がします。
どちらにしても定款認証時には会社設立ソフトがあった方が圧倒的に楽だと思うので、その流れのまま法人登記に関しても会社設立ソフトを使って設立するのがおすすめですね~。だって無料ですからね。
この法人登記の完了により、株式会社のを自分で設立することができました!
今後は設立後の手続きをしないといけません。年金事務所、税務署、県税事務所、自治体に届け出が必要ですし、法人口座も開設しないといけませんね。
従業員を雇用する場合には、労働基準監督署やハローワークへの届出も必要のですよ。
新規創業促進補助金とは?
私も自分が設立した時にどの記事を見ても全くヒットしなかったので全く知らなかったのですが、福岡市等において行われている事業です。福岡市の例を簡単に説明します。
概要は、新型コロナウイルス感染症の影響下においても新たなチャレンジを行う創業者を後押しし、創業の裾野を広げるため、国の特定創業支援等事業を活用して登録免許税半額軽減を受けた方に対し、残りの半額相当額を支援する事業です。
対象者は、福岡市で特定創業支援等事業の受講の証明を受けた者で、令和4年4月1日以降に福岡市の特定創業支援等事業の証明書を活用し登録免許税半額軽減を受けて新たに会社を設立すれば良いようです。
補助の対象は、会社を設立するために必要な登録免許税額で、株式会社は一律75,000円で合同会社は一律30,000円なので、登録免許税が実質0円となるようです。
ただ、新たに設立する会社の本社が福岡市内となっているので、福岡市以外だと利用できません。
福岡市が羨ましいですよね~。
細部は福岡市のホームページで確認して下さい。
これで株式会社は設立できました。次は社会保険の手続きをしないといけませんね!
Youtube動画を作成しました。興味のある方はご覧下さい。
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