数年前からNISA口座や特定口座で株式を取引しているのですが、私の場合特定口座は源泉控除有確定申告不要に設定しています。通常であれば確定申告は不用なのですが、今年は今までに支払った所得税が還付されそうなのでe-taxでやってみました!
確定申告に必要なもの
確定申告にはそれぞれの所得に応じた証明書類が必要になります。給与所得者であれば給与所得の源泉徴収票が必要であり、個人事業主であれば決算書や損益計算書等が必要となります。今回のように譲渡所得や配当所得の場合には、特定口座を持つ証券会社毎に特定口座年間取引報告書が必要となります。更に医療費控除を受ける場合には、医療費やセルフメディケーションに関する領収書等が必要になります。事前に医療費集計フォームを作成していれば後々楽で良いですよね。
e-taxに必要なもの
e-taxを利用して確定申告をするにはPCやスマホは必需品です。郵送で申請するにはプリンターも必要ですが、電子申請するにはマイナンバーカードも必要となります。更にマイナンバーカードを読み取るためのスマホ又はICカードリーダーが必要になります。
ICカードリーダー
私はPCを使用して電子申請し、マイナンバーカードの読み取りは下記のICカードリーダーを使用しています。
e-taxでの確定申告
それでは実際にe-taxでの電子申請を説明したいと思います。
まず最初に国税庁の確定申告書作成コーナーを開きます。事前に必要なものを手元に準備して作成開始をクリックします。
税務署への提出方法の選択
提出方法に関する質問に対し、マイナンバーカードとICカードリーダーをを利用するので、それぞれ「はい」を選択して「ICカードリーダライタを使用するをクリックします。
作成する申告書等の選択
今回は「所得税」を選択します。事業所得や不動産所得がある場合には「決算書・収支内訳書(+所得税)」を選択します。他にも「消費税」や「贈与税」もここから作成することができます。
マイナポータルと連携
それでは「マイナポータルと連携する」をクリックします。
一番下の「利用規約に同意して次へ」をクリックします。
「次へ進む」をクリックします。
「ICカードリーダでログイン」しマイナンバーカードの数字4桁のパスワードを入力します。
e-tax登録状況の確認
以前にe-taxを利用したことがある場合には、住所氏名及び予定納税額が確認できます。
私の場合は予定納税はないので住所氏名のみとなります。「次へ進む」をクリックします。
住所や氏名等のデータが表示されるので確認します。
マイナポータル連携
それではマイナポータルと連携して源泉徴収票や医療費通知のデータと連携します。今回は本人分のみ連携し家族分とは連携しません。それぞれを選択して「マイナポータルに移動して情報を取得」をクリックします。
利用規約に同意して「次へ」をクリックし、連携します。
連携できるデータが表示されるので、連携したいデータのみにチェックを入れ、「上記留意事項を確認した」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
医療費通知のデータは当年分のみのデータではないので、医療費集計フォームを利用して提出します。そのためチェックは外しました。
連携されたデータが表示されるので、確認して「申請書を作成する」をクリックします。
下の画面でも「次へ」をクリックします。
申請書の作成
次に申請する事項を選択していきます。給与は既に連携されているので事業所得等があれば選択します。今回は選択しません。
他にも該当事項があれば選択します。今回は「株式の譲渡(売却)、配当、利子」を選択します。
源泉徴収票は1枚で年末調整は済んでいるのでそれぞれ選択し、「次へ」をクリックます。
収入・所得の入力
ここからは収入等の確認や入力をしていきます。
給与所得
給与所得は連携されたデータが反映されているので「確認して下さい」をクリックして内容を確認します。
「確認」をクリックします。
株式の譲渡・配当所得
特定口座での取引があるので「はい」、上場株式の配当もあるので「はい」を選択します。配当所得の課税方法は総合課税と申告分離課税のどちらかを選択できますが、ケースバイケースで有利な方を選ぶと良いと思います。今回は「総合課税」を選択します。
ちなみに配当所得は総合課税か申告分離課税を選択できるのですが、株式の譲渡所得に関しては申告分離課税のみとなっています。どちらも特別口座作成時に源泉徴収あり申告不要を選択していれば本来確定申告は必要ないのですが、申告した方が有利な場合には申告しましょう。
それでは特定口座年間取引報告書の内容を入力していきます。入力は証券会社が複数ある場合には証券会社の数だけ入力します。
特定口座年間取引報告書に記載してあるとおりに入力していきます。画面の右側にどこの値を入力するかが記載してあるので確認しながら入力します。
特定口座の入力が終わると元の画面に戻り、特定口座以外での取引と損失の繰り越しの該当項目を選択して入力を終了し、「次へ」をクリックします。
控除の入力
社会保険料控除や生命保険料控除は連携されているので確認します。源泉徴収票との連携で入力されている項目も多いと思いますが、入力されていない場合には必ず入力します。
医療費控除
今回は医療費控除に既に作成したファイルを使用します。まずは「医療費控除」をクリックします。
医療費控除かセルフメディケーションのどちらを利用するかを選択します。通常の病院や薬局(処方箋分)の場合には医療費控除となり、セルフメディケーション税制対応の市販薬の購入に関する控除はセルフメディケーション税制となります。
今回は医療費控除を選択して「次へ」をクリックします。
ここで領収書を1枚1枚入力していくこともできるのですが、面倒なので予め作成していたデータを利用します。
「集計ファーム読込画面」をクリックします。
「ファイルを選択」をクリックし、「選択したファイルを読み込む」をクリックします。
きちんと読み込む事ができれば金額が表示されます。
確認して「入力終了」をクリックします。
元の画面に戻るので、他の控除があれば入力します。
ふるさと納税制度を利用している場合には寄付金控除を選択して入力します。もし、ワンストップ特例制度を利用していても確定申告をするとリセットされるので、ふるさと納税制度を利用している方が確定申告をする場合には必ず入力して下さい。
配偶者控除
配偶者控除等がある場合には選択して入力します。
基本情報や所得金額を入力すればe-taxが控除金額を計算してくれます。配偶者控除は380,000円と金額が大きいので忘れないようにしましょう。
扶養親族
扶養親族がいる場合には入力します。
入力方法は配偶者と同じです。生年月日を入力すれば、特定扶養親族に該当する場合にはきちんと反映されます。
外国税額控除
特定口座年間取引報告書で入力した値が該当すれば「確認して下さい」が表示されているので確認します。
「補正」をクリックして入力していきます。
国名や金額が合っていれば、入力していない場所があっても先に進めます。入力が必要な場所に入力されていない場合には、e-taxが教えてくれます。
入力が終わると「次へ」をクリックします。
ここでは調整国外所得を入力します。この値は特定口座年間取引報告書の右下の摘要欄の調整税額の合計を入力します。また、今年1月1日時点の住所を選択しないと先に進めません。
予定納税額や本年分で差し引く繰越損失があれば入力して「次へ」をクリックします。
計算結果の確認
ここまで入力した項目の計算結果が表示されるので確認します。もし間違っていた場合には訂正します。
間違いがなければ「次へ」をクリックします。
還付方法等の入力
これまで入力した結果、還付があれば金額が表示されます。受け取り方法と通知方法を選択して「次へ」をクリックします。
住民税等に関する事項
それぞれ該当する事項があればチェックをして最後に住民税の徴収方法を選択します。
基本情報
マイナンバーの入力
本人や扶養親族のマイナンバーを入力します。本人分は必ず入力が必要のようです。
確定申告書の確認
「確定申告書を表示する」をクリックすると作成された確定申告書がPDFでダウンロードされます。
確定申告書はかなりの枚数がありますが、下記の2枚は必ず確認した方が良いと思います。
第一表
第三表
送信
該当事項があれば入力し、マイナンバーカード認証方法を選択して送信します。
まとめ
かなり長くなりましたが、これで何とかe-taxを利用して確定申告を電子送信できると思います。
面倒ですが、送信する前に作成した確定申告書を必ず確認して下さい。
青色申告の場合で65万円や55万円の控除を受ける場合にはe-taxで電子申請をしないと受けることができません。10万円とは大きな差となるので、頑張って電子申請をした方がお得だと思います。
私も作成した後に気付いたのですが、その年の所得が少なくて控除額が多い場合には、申告分離課税でも税額が安くなる場合があります。申告分離課税という言葉のイメージ的に、他の所得が多かろうが少なかろうが切り分けて課税されるものと思っていたのですが、申告分離課税分の税額を算出する際「総所得金額等から控除しきれない雑損控除、医療費控除、配偶者控除、基礎控除などの所得控除の金額がある場合には、その控除しきれない金額を一般株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除します。」という計算をするためです。
また、配当所得や譲渡所得を申告する場合についてですが、所得税だけでなく、住民税や国民健康保険料との兼ね合いもよく検討したうえで申告して下さい。特に国民健康保険加入者の方は所得税は減っても住民税と国民健康保険料が増えて、逆に損をする場合があるので注意が必要です。何故なら給与所得者は毎月の給与の標準報酬から保険料が算定されるのですが、国民健康保険料は前年分の所得によって算定されます。昔は住民税のみ申告しない事ができたのですが今はできません。必ず連動されるので、申告したことにより前年分の所得に配当所得や株式譲渡所得が加えられることとなります。申告しなければ増えません。
ちょっと投稿が遅くなりましたが、今からe-taxで確定申告をされる方の参考になれば幸いです。
youtube動画を作成しました。動画の方が分かり易いと思いますので興味のある方はご覧下さい。
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